アサート No.389(2010年4月24日)

【追悼】 「改憲阻止のつどい・大阪」代表
        井上淳一さん、急逝
 

 「改憲阻止のつどい・大阪」の代表として活動されてきた井上淳一さんが、この三月末、体調急変により急逝された。その一週間前の「ピース・ウォーク from 沖縄」には、兵庫県から大阪府へ入るコース、二十数キロをともに行進され、「基地はどこにもいらない」、「普天間基地の即時閉鎖」、「憲法九条を守ろう」と訴えられた。3月19日の「改憲阻止のつどい・大阪」の会合では、その意義や行進の模様、これからの予定等を元気に、笑顔で報告され、会合の後の懇親会でも活発に議論され、まとめておられたばかりであり、予想だにできないまさかの急逝であった。
 「憲法九条改憲阻止のつどい・大阪」にとっては大きな痛手である。この「改憲阻止のつどい」は、井上さんが中心となって、2007年8月に結成が呼びかけられたものであり、60年安保闘争時の大阪府学生自治会連合(大阪府学連)委員長としての経験、その後の長年にわたる自治体労働運動、医療労働運動での真摯な運動への姿勢が、その最初の呼びかけ文に現れている。
 以下はその際の、呼びかけ文の最後の部分の抜粋である。
「平和憲法が第二次大戦後の世界平和にそれなりに貢献してきたことは紛れもない事実ですが、その第九条をはじめとする非戦・平和・民主主義・主権在民の根幹をことごとく打ち壊そうとする衝動が、総資本と保守政権を突き動かしています。壊憲の道となる国民投票法がすでに成立しています。
 平和と民主主義を培ってきた私たちはこれを座視するわけには参りません。すっかり衰退・崩壊している諸運動の現実を見るとき、私たち自身の責任を痛感し、再び人民主権の運動を再興するために立ち上がることを決意しました。
 対立と分裂を重ねてきた運動の反省に立って、一致できる一点なりとも大切にし、互いの力を寄せ合うことが今ほど求められているときはありません。
 改憲阻止ー反戦・平和・民主主義・人民主権の運動を私たちと共に再生させようではありませんか。「憲法九条改憲阻止の会」へのあなたの参加を切望し、呼びかけます。」
 運動の基盤と統一の重要性、その大衆的性格、民主主義と多様性を何よりも大切にしてこられた井上さんの思いが、今後に生かされ、受け継がれることを願うばかりである。
(生駒 敬) 

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