1960年代の学生運動の歴史的文書 No.2 |
< 共産主義的青年学生同盟の建設をめざして> 青年学生運動革新会議 1961・9・29 |
平和、民主主義、社会主義のために闘うすべての先進的青年学生諸君! ならびに、労働者、農民、市民、インテリゲンチャ、青年、婦人、学生のなかのあらゆる心ある人々よ! 私たちは、ここにレーニン主義の原則にもとづく共産主義的青年学生同盟の設立に着手することを、高らかに宣言する。 私たちは、平和をまもり、民主主義を擁護発展させ、若い世代の生活をあらゆる面でよりよいものとするため、反帝・反独占の大衆闘争の先頭に立って闘いながら、革命的青年学生運動の建設のために、一貫して努力をつみかさねてきた。その内容は、「民族民主革命路線」にもとづく、ブルジョア民族主義と市民的″民主主義の誤った青年同盟論にたいして、社会主義・共産主義へ若い世代が独自のやり方で近づくことを追求するレーニン主義的青年同盟論をまもりぬく、苦しい努力とたたかいの経過であった。 国際情勢の進展の中で、社会主義体制の優位がおおいようもなく明白になった今日、日本の若い世代のなかには、社会主義・共産主義の未来にたいする正当なあこがれと希望が広く生まれている。平和と民主主義とよりよい生活を求める青年学生の闘いほ、かつてなく巨大なエネルギーをはらみながら、社会変革の方向を手さぐりしている。ますます狂暴な本質をあらわしている独占体の侵略と抑圧、搾取と収奪の強化は、いっそう青年学生に決定的な対決を余儀なくさせている。現在の国際的な「新しい条件」のなかで、共産主義的青年学生運動を発展させるた めの「新しい可能性」を追求することが私たちの直面する課題である。このような状況のもとで、私たちは、日本民主青年同盟を共産主義的青年同盟に発展させるため、力をつくしてきた。しかしその努力は、共産党の誤った指導路線とこれにもとづく同盟内党員会議による不当な干渉によって、実を結ぶことは不可能になった。 ゆえに私たちは、青年学生の分野での大衆闘争の巨大な高まりと、そのなかでの共産主義運動の広汎な展開をめざして、レーニン主義の原則に完全に立脚する共産主義的青年学生同盟の創設のために、新たな努力をはじめなければならないと結論するに至った。 新しい同盟は、共産主義をもとめる、活動的な青年学生の大衆的な結集体となるであろう。 新しい同盟は、青年学生戦線の統一の中核となって、その前進の先頭に立つであろう。 新しい同盟によって、はじめてマルクス・レーニン主義の真に実践的な学習が可能になるであろう。 すべての先進的青年学生諸君! 社会主義、共産主義をめざす新たな同盟の建設のために結集しよう。 一 戦後の共産主義的青年学生連動 青年学生運動革新会議全国準備会は、日本共産青年同盟(一九二二年) いらい、青年運動の先頭にたってたたかってきた青年同盟の革命的伝統をうけつぎ、共産主義的青年学生同盟の創設のために、日本の青年学生の革命的エネルギーをひろく結集することをよびかける。 私たちは、なにものによってもさえぎることのできない社会主義・共産主義の未来に身をむけている若い仲間たち、平和と民主的改革のためにたたかっている若い世代を結集し、青年と日本の現在と未来の利益のためにたたかうことをみずからの使命としている。 この目的のもとに、青年学生運動革新会議は、すべての青年に若い世代の行動綱領を提起し、その実現のために団結し、闘争を行なうことをよびかける。 この闘いは、労働運動、民主主義運動全体の闘いの不可分な一環である。同時に、マルクス・レーニン主義の党の再生の一環ともなるであろう。そのため、私たちは、共産主義的青年学生同盟の創設のための第一歩を踏み出す。その一歩は青年の政治的・経済的・社会的・文化的諸要求の実現のための闘いを組織し、青年とマルクス・レーニン主義の思想できたえ、青年戦線の統一を推進することである。 ▽民青同盟と共産党の現状 青年学生運動革新会議が、今日この問題提起を行なったのは、さしせまった事態に対処するために避けることができないことなのである。 いな、それは真理をもとめ、希望と探求心にあふれた青年にとって、なににもまして、当面解決しなければならない階級的責任なのである。 日本共産党は、宮本・袴田ら派閥官僚主義者によって党規約をじゅうりんし、一方的に党大会を鶉行して、新綱領、政治報告、規約改正を強行した。その結果、共産党ほ新綱領を民青同盟に強制し、同盟の規約を無視してまで、党綱領に反対する同盟員を同盟組織から排除した。また青年が自主的に決定した民青の六大会・七大会の路線を、党綱領によって修正することを企図し、同盟の掲げた青年の要求の運動化・全国化の方針をぶちこわし、同盟を党の方針をシュプレヒコールする自動装置にかえてしまった。同盟ほ完全に党機関の従属物にかえられている。 そのため、同盟活動ほ大きな停滞と混乱をひきおこし、青年同盟の自主的決定と組織の独立性の原則は全くふみにじられてしまった。 このことによって民青同盟の機関は小型共産党化するとともに班はサークル化し、青年同盟の自主的な規律は失われつつある現状である。 いまや、民青同盟ほ六大会によって回復した階級的青年同盟の特質が失われ、民族民主青年同盟、市民的青年同盟へと転落しつつあることをしめしている。かくて民青は今日の青年が階級的に自覚し、自らの運命を打開し、社会主義への道をきりひらくのを阻害する存在に転化しつつある。もし民青同盟の六大会・七大会の路線を堅持し、さらに発展させようとするならば、必ず党の綱領路線と官僚主義統制とに衝突せざるをえない。民青同盟から不法に排除された同盟幹部は、労働者階級の立場にたって、日本の民主的改革を通じて社会主義への道をきりひらくために、民青六大会、七大会路線を堅持し発展させるために、民青革新委員会を組織して闘っている。革命的エネルギーを最大限に発揮し、日本の青年学生の要求にこたえるため、青年学生運動に責任を負う私たちは、日本の青年運動の革命的伝統を継承し、青年みずからの創意と自主性にもとづいてどうしても、共産党の官僚派閥の道具になった民青同盟を革新し新しい青年運動を展開しなければならない時にきている。 ▽誤り混乱の原因はなにか 青年同盟の自主性と党の指導の関係が今日のように、矛盾したのはけっして今にはじまったことではない。共産党と青年同盟の関係は、本来マルクス・レーニン主義の理論と実践にみちびかれるならば矛盾するものではない。それが今日敵対化されるようになったのは、共産党がマルクス・レーニン主義の原則を青年問題と青年運動に適用する能力を失っているからである。 今回決定された日本共産党の綱領についていえば、戦後の日本の労働者階級と人民のおかれてきた状態と、最近の変化を真剣に分析し、歴史的に総括して発展法則をみいだそうという科学的な思想にもとづいて作成されたものではなかった。こうした主観的なドグマによっては戦後の民主主義のもとに成長した現代青年に正しい指針をあたえることはできない。わたしたちは戦後の青年運動の総括にもとづいて、今後の青年運動の展望をあきらかにする責任をもっている。 戦後の青年同盟の歴史を通じて共産党との関係で大きな矛盾をひきおこし、青年運動に壊滅的打撃をうけたことは、一度や二度ではない。私たちは、この誤りの原因をとりだし、解決するために戦後の共産主義的青年学生運動の総括を行なっている。その大ざっぱな筋道をたどると、次のことが明らかになる。 【戦後の青年運動の出発】 戦後青年運動の出発にあたって、天皇制権力に抵抗して闘った先進的青年はその思想・信条のいかんにかかわらず、戦争に反対し民主主義日本の建設をのぞむ広汎な若い世代を結集するため、民主主義青年会議を組織した。これはキム (国際共産青年同盟)六回大会で決定された人民戦線戦術の日本における適用であった。しかし、戦後公然化した共産党は、この国際的経験から正しく青年同盟の路線を提起できず、戦前の思想そのままで青年共産同盟の建設の課題を提起し、青年の自発的創意をふみにじるというセクト主義の偏向をおかした。 このため青共の活動は大きな積極性をもって発展したにもかかわらず、全体として行動隊としての性格(退蔵物資の不正摘発など)と市民的権利意識(ひろし・ぬやまの悪名高い「愛情論」) の段階にとどめられた。 【四団体の合同】 これらの弱さを克服し、マルクス・レーニン主義の創造に参加されることが要求されている時に、階級的青年同盟の解体が行なわれた。 一九四九年から五一年にかけての青年共産同盟をはじめとする四青年団体が共産党の指示にょって合同し、民青団が生まれたのである。まさにアメリカ帝国主義と階級的に同盟した日本独占資本が自分の支配を復活・強化した時期に青年運動の階級性がヌキさられた。先進的活動家は希望を失い、民青は合同前の青共の十分の一の組織となりセクト主義集団になった。 【五〇年分裂と六全協】 共産党の指導の誤りが深化した第三の時期は五〇年党分裂の時期である。セクト主義集団となった民青は、いわゆる共産党主流派を絶対視することを強制され、共産党の極左冒険主義の害悪によって同盟は党の工作隊となり、ますますセクト化をまねいた。 「民族解放革命」を目標として一方ではサークル主義%I宣伝、他方では街頭的冒険主義が主要なものとなった。このなかから、拠点工場を中心に生産点での階級闘争がおこり、革命的青年運動の回復の芽が生まれた。その矢先におこったのが六全協である。共産党の転換にたいする指導が放棄されたため、民青は清算主義におちいり方向を見失い、同盟自体解体寸前の状態におちいった。 【民青同盟の新路線決定】 それにもかかわらず、民青団は民青同盟と変り、誤りの克服の努力のうえに民青同盟の第六回大会が開かれた。同盟は自らの苦難な闘いを通じて、従来の青年運動における左右の偏向を克服し、マルクス・レーニン主義の原則にもとづいて真の階級的青年同盟の建設の方向をあきらかにした。これにたいして、共産党幹部会ほ、同盟の方針に不当に干渉し、@社会主義の問題が強調され、民族解放の問題が弱いと指導し、官本書記長は「階級的矛盾は民族的矛盾に従属する」と強弁してはばからなかった。A「マルクス・レーニン主義を学ぶ」という階級的青年同盟の基本的命題にたいして、それほ党の独自活動でやるべきで同盟自身の性格にすればセクトになるといい、執拗に反対した。B「党の導きをうける」とし党と同盟の関係をあきらかにし、そのうえで同盟の自主性を強調したが、共産党幹部会ほそれを事実上共産青年同盟化するからといい反対した。 共産党幹部の頑迷無智なる青年同盟観にもかかわらず、共産党中央青年学生対策部、民青中央常任委員会の努力と共産党九中総における少数派中央委員の努力によって、不十分ながらも、青年同盟の原則的な立場を堅持することができた。とくに六大会の方針を宮本書記長みずから「同盟は階級的立場の同盟でなく、市民的民主主義を追求する民主的組織である」とし同盟の性格を「労働者階級を中心とする人民の民主主義の立場にたつ」と書きかえたが、この修正は同盟六大会によって同盟中央が最初にきめた通り「労働者階級の立場にたって、人民の民主的課題のため」という現行のものに改められた。ひきつづき民青六大会二中委で日本の青年運動の組織論と運動論とを確立する基礎をつくりあげ同盟の発展の方向をきずきあげた。 それが今また共産党の「指導」によって、ふたたび大きな危機がおとずれたのである。 以上が、共産党と民青同盟の関係の実態である。 ▽私たちのとるべき道 ここに明らかなことは、戦後の青年運動全体を通じて、若い世代自身の手によるマルクス・レーニン主義の創造と展開が、諸外国にくらべても、いちじるしく不十分であったということである。このため、青年同盟が一定の力量をたくわえることができても、たえず引きおこされる思想的変動によってたちまち解体されるという現象がつづいてきた。 民青同盟が共産党の導きをうけるのほ、共産党がマルクス・レーニン主義の立場にたち、真に革命的で科学的な思想にもとづいて、実践的指導を行なってはじめて成りたつものである。しかるに今日共産党がマルクス・レーニン主義とは異質の思想を指導精神としてうけいれ、青年運動を混乱におとしいれている現在、これにしたがうならば、民青同盟が過去においていくたびかおちいった頽廃現象がびまんすることほ争えない必然の道である。この現状をわたしたちは黙視するわけにはいかない。 現在の共産党の誤りを正し、青年同盟の階級的性格を堅持し、日本の労働青年をはじめすべての青年・学生の要求にこたえ、真に青年運動の発展法則を追求していくためにほ、そのための新しい独自の青年同盟の創設が必要になっている。マルクス・レーニン主義の思想と実践を擁護し、青年の要求を実践的にとりあげて社会主義をめざし、平和と民主主義的革新の活動を展開するために、共産主義的青年学生同盟の組織化が不可欠のものとして要求されている。 二 新しい青年学生同盟とはなにか 以上の経過と結論そのものが、新しい青年学生同盟とはなにかを明らかにしている。新しい同盟は、民青同盟五大回四中委・六中委の確認に立ちもどるだけでなく、共産主義的青年学生運動のもっとも貴重な成果をうけつぎ発展させる。新しい時代の内容と戦後かちとられた政治的民主主義が、若い世代のなかに深く根を下ろしたいま、共産主義的青年学生同盟の創設は可能であり、必要なことである。共産主義的青年学生同盟の原則は次のようなものとなるだろう。 (一)共産主義的青年学生同盟は、反独占民主主義革新をつうじて社会主義日本実現のために闘う若い世代の大衆的同盟である。 青年同盟は、一般的には政党や労働組合と同じように階級闘争のなかで一つの位置をしめている。青年同盟とこれらの階級的諸組織がおかれている法則は、すこしもちがうところがない。同時に、だからこそ、日本社会の二つの基本的階級である独占資本と労働者階級のどちらが若い世代をその影響下におくかの問題は、革命にとって決定打″となるものであり、ここに青年同盟におわされている重大な任務があるのだ。新しい同盟は、この問題を受身の態度で解決しようとも、またできるとも考えない。社会主義世界体制が優位にたち、労働者階級が国の指導勢力として登場している新しい時代の内容は、日本の若い世代と諸運動の深部に生きて躍動している。 同盟の「大衆的」発展と「階級的」性格が矛盾するかのような見解は誤っているだけでなく有害である。また「市民的青年同盟」論や「民族解放青年同盟」論は、はなはだ時代おくれのものとなり、運動に大きな混乱をもたらしている。 新しい同盟はこう告げる----新しい時代は労働者階級こそが民主主義のにない手であり、国の政治・経済・思想・文化の諸分野で進歩の方向を指導できることを教えている。労働者階級の立場にたってこそ、一般民主主義の諸課題----平和と民主主義、民族主権を回復する問題を正しく解決することができる。新しい同盟は、独占の力を制限し、帝国主義の反動的プログラムを挫折させ、国の政治的民主主義を革新していくコースをつうじて社会主義日本を実現するため、若い世代の先頭にたって闘うものである。 (二)共産主義的青年学生同盟は、自発的規律で結ばれた全国単一の独立した組織であり、労農青年を中心にした青年統一戦線の中核である。 青年同盟は、階級的諸組織に一般的な原則と同時に「若い世代は独特な方法で共産主義に近づく」(レーニン)という法則に立脚している。このためには、青年同盟の自発的規律----民主集中制と組織の独立性は不可欠の要素となる。 青年同盟を「政党の手足」と考える思想、青年同盟が「独立した組織のなかで学ぶ」機能を否定する傾向は、たんに青年運動にとって混乱をもたらすだけでなく、日本における共産主義運動の後続部隊を断つ有害な作用をおよばす。 このような思想が、いままで青年同盟をサークル主義″におとしいれたり、またそのウラがえしに小型共産党化″させてきたのである。 新しい同盟は、新しい時代に生きる若い世代の行動そのものから自覚的規律を生み出し、現実の闘争そのものから豊かな道徳をうちたてるために活動する。あやまった道徳主義を克服して、「戟後民主主義」の成果をマルクス・レーニン主義の方法にそって結実させる。 新しい青年同盟の規律と道徳は、若い世代がそのために闘っている共産主義日本の青年像を現実社会において体現するものであり、日本社会の胎内に若い世代の力で社会主義の精神をつくりだすものでなければならない。 こうして新しい同盟は、青年の社会的要求を解決し、青年運動の社会的発言権をかちとり、若い世代のなかに深い影響と高い尊敬をかちえることができ、青年統一戦線を形成し、発展させる任務をはたすことができる。 (三)共産主義的青年学生同盟は、その行動と教育によって若い世代がマルクス・レーニン主義に近づくことを助けるとともに、日本における共産主義運動の創造建設に積極的に参加する。 日本の共産主義的青年運動ほ、マルクス・レーニン主義の教育という点で多くの失敗を重ねた。ある時期にはマルクス・レーニソ主義教育を、共産党綱領の個々の命題の信奉という誤った方法に堕落させ、ある時期にはこの任務をまったく放棄した。これが日本共産党の指導の偏向と無関係でないことは明らかである。 現在、若い共産主義者は重大な決意をせまられている。誤った方法をこのまま見過ごすか、それとも断乎としてマルクス・レーニン主義の創造、思想建設に立ちあがるか。 新しい同盟は、実践の検証をつうじて、マルクス・レーニン主義の再生と創造をはかる道に立つ。マルクス・レーニン主義ほ個々の教条から演えき的に導きだされるものではない。共産主義的運動は単にイデオロギー集団からおこるものでなく、反独占民主主義革新の勢力の現実の闘争に、その萌芽を見い出す。新しい同盟は、マルクス・レーニン主義党にたいする受動的な態度でなく、若い世代自身が革命を創造的に発展させる部隊であるという立場から、思想建設にとりくむであろう。 三 新しい同盟の当面の政策と方針 共産主義的青年学生同盟のさしあたってのプログラムは次のようなものである。 ▽完全軍縮のための行動の統一 いま平和共存の局面に変化がおこっている。この基礎には帝国主義陣営と平和、社会主義陣営の力関係の逆転がある。 全面的な完全軍縮はいま可能であるばかりでなく、諸国民の行動の課題となっている。 この情勢に応じて、平和をまもる若い世代の運動には新しい段階がおとずれている。私たちほ、アメリカをほじめとする帝国主義の戦争政策の諸結果と闘うだけでなく、戦争政策そのものを制御し、これを封じこめる闘いをおこさなければならないと考える。 ソ連の核実験は、広島、長崎の体験をもつ日本人民にとって重大な関心事であり、問題の性質がソ連の核実験を支持するかいなかという単純なものでないことは明らかである。この意味では、「核実験を先にはじめた方が平和の敵」といった思想方法自体に問題がふくまれていると考えるべきだろう。 日本人民の核戦争にたいする切実な反対の感情に立脚すればこそ私たち若い世代はただちに軍備全廃の行動をおこし、青年諸団体の行動の統一をはかる必要がある。私たちはソ連と帝国主義者を同じ平和の敵とする見解に反対する。しかしソ連の核実験支持を当面の行動の原則的一致点として固執することは現実的でないと考える。 いま必要なのは、運動の発展なのである。若い世代は完全軍縮の諸原則の承認のうえに核実験禁止協定をむすぶため、頂上会談と国際会議を開くことを要求して行動をおこそう。 ▽日本帝国主義の反動的プログラムを挫折させる日本の反動的プログラムを挫折させるたたかいと固くむすびついている。独占資本は海外への帝国主義膨張の保障として、臨時国会で政暴法の成立をはかるとともに、第二次防衛力増強五カ年計画の予算措置を行なおうとしている。帝国主義軍隊の完成・強化は、さらに憲法改悪による海外派兵、若い世代にたいする徴兵制度を予定するものである。 この秋から一年間にわたる反動的プログラムを挫折させることがいま西独とならんで世界平和の焦点となっている。 労働者階級を中心とした全人民が、この国際主義的義務をはたすことが、同時に独占の支配力の制限の闘いであることはいうまでもないし、この道をつうじ、日本の中立化をたたかいとる展望がひらける。 若い世代は臨時国会を出発点とする長期の (さしあたって一年間の)闘争に耐えぬく組織−行動委員会、労働組合ではストライキ委員会をつくろう。臨時国会へむけて直ちに行動を組織しょう。 ▽民主主義革新と青年の要求を社会的にかちとる活動 政暴法は実績として職場に先行している。「安全週間」「労働協約の改悪」「新労務管理」などさまざまな形で、職場の権利を剥奪するたくらみが進行している。このような状況のもとで長期の闘いを組むためには、職場の闘争を基礎に強固な陣地″をつくることが必要である。職場の闘争は、一方では賃金、時短、社会保障を軸とした改良の要求獲得によって職場の力関係をかえていくことであり(事前協議と工場委員会活動)、他方ではこの力を基礎に国の政治的民主主義を前進させることにつながる。 青年の要求を職場、学校、地域でかちとる闘いも、たんに経済構造″をいじるだけで達成できるものではなく、生産点、生活点での階級闘争から出発する。すなわち、職場、学校、地域での多数派を形成することによって、青年戦線を下から再建し、運動の一定の段階で要求を政府や自治体に法律として保障させることが必要である。 この青年の生活と権利、社会的地位の向上の闘いと結合して若い世代ほ憲法そのものを前進させ国の中立化の展望をひらくことができる。 ▽共産主義的青年同盟創設のために 新しい青年学生同盟の創設にすぐとりかかる必要がある。私たち「青年学生運動革新会議」はこのために各組織への援助の体制を準備している。班、地区、県、大地方にすぐ組織をつくろう。それぞれが自主的に組織を形成し相互の連絡と討論を深めよう。 私たちは、この諸組織が全国単一同盟に成長するための諸措置を講ずるであろう。 一九六一・九・二九 青年学生運動革新会議 |