1960年代の学生運動の歴史的文書 No.4

<四・一七はしくまれた米日反動の謀略である
       日本共産党東大学生総細胞 1964・04・13

賃金引き上げを主な内容とする春期は、公労協中心の 「四・一七ストライキ」という重大な局面を迎えようとしています.
日本共産党は、このような事態に対し、「全民主勢力と団結し、挑発を排して、がん強に、ねばりづよく闘いぬこう」という声明を発表し、この闘争が日本の労働者階級と全人民にとって、きわめて危険な、謀略的内容に貫かれたものであり、方針を再検討し、ストを中止するよう訴えています.
(四・一九をめぐる危険な情勢)
もとより私達は春闘を支持しています。日本の労働者・勤労大衆が、言語を絶する低賃金と、首切りの苦しみの中におかれているとき「賃金をあげろ」というまったく正当な、そして胸をついてでる要求に同感しないものがあるでしょうか.               一
しかし、今回の「四・一七ストライキ」はきわめて危険な内容をもっており、私達はこれを支持することはできません.なぜなら、第一に労働者の大半が突然、わけがわからずにスト指令をうけており、その思想的・政治的状態は全く無準備のままであるということです.第二に、四・一七には大義名分がありません.日中・日韓を中心とした、全ての人民の一致して闘える緊急の政治課題と結びつかない「賃上げ」だけの「ゼネスト」は、労働者を孤立きせずにはおかないでしょう.そして第三に、このような中で米日反動のたくらむ大規模な弾圧に闘える保障は何一つありません.
こうした事態は、四・一七の闘いに引っばりこまれようとしている労働者階級を非骨な危険に立たせています.
しくまれた謀略四・一七をやめさせよう
 「四・一七ストライキ」は労働者階級の切実な願いからでたものではありません.「四・一七ストライキ」 は、まさに日本の「血の日曜日事件」 を思わせる、米日反動のしくんだ大規模な挑発と謀略です。闘争を指導するのは、一・二六横田に十三万人の労働者・人民が結集していた当日、アメリカ労働長官ワーツと密談していた総評に巣くう反共右翼幹部であります.三・一ビキニデーをぶちこわすために策動し、安保共闘再開を 「くいとめて」いる彼らが四・一七をあおっていることの本質を如実にあらわしています.さらに、多くの職場で、今迄一貫して労働者の闘いを妨害してきた職制か、 「四・一七」では、ぶきみな沈黙を守り、かえって支持を表明していることさえあります.反共御用組合である東芝本社や、住友事務センターが四・一七に支持を表明していることは、この闘争のもり上りを示すのではなく、その裏にかくされた陰謀を私達におしえています.
このような中で、米日反動は綿密な弾圧体制をすでにしいています・東鉄では「公安の配置はすでにおわった」「リストをつくり主たる目標は定った.あとは四・一七を持つのみ」 とうそぶいています.
 一・二6横田十三万人の集会によって切っておとされた六四年の人民の闘いは、三・一〜三、三・一八、四・五とひきつづく中で、今や日中国交回復、日韓会談粉砕、安保共闘の即時、無条件再開を要求する大闘争へと発展しています.四・一七は、まさに、この日本人民の一九七〇年安保再改定をめざす、米日二つの敵にたいする独立・平和の闘いの新たな高まりを挫折させ、その隊伍に壊滅的な打撃を与えるためにしくまれた謀略であります.

「四・一九ストライキ」 のあとにくるもの、それは労働運動の一層の右傾化であり、反動化であることは、ひをみるより明らかです.
共産党は、どうして日本人民を破滅に導く、このような謀略に手をかすことができるでしょうか.

私達は 「四・一七ストライキ」 に断乎反対します.そして日韓・日中の闘いをもっと広はんにまきおこし、その全人民の闘いに包まれて春闘を着実に高めていくことを願っています.

四・一七をめぐるトロツキスト・修正主義者の策動を許すな!
十一日、社革新・共青を中心とする学生の修正主義者・トロツキストの一団は「共産党は人民をうらぎった」などとわめきたて、恥知らずにも党本部にデモをかけました.彼らトロツキストは一貫して人民の統一と団結を分裂させるだけでなく、運動全体を反共にしていく大きな役割をしています.安保闘争において「共産党の裏切り」を口にし、国会に突入した彼らが、実は反共謀略家田中清玄から金をもらい、指示をうけていたことは、今では誰もが知っている事実です.
三・一八、四・五など偉大な人民の闘いは無視するくせに、十一日のトロツキストの暴挙を大々的に報じている商業新聞をみても、彼らの役割は明らかです.
学生の中に巣くうトロツキスト・分裂主義者を放逐することは、全ての人民にたいする学生の責任であります.
東大に学び、働き、研究するみなさん.
● 「四・一七ストライキJ にこめられた危険な謀略をみぬき、粉砕するために闘いましょう!
〇 日韓会談粉砕・日中国交回復要求の闘いを嵐のようにまきおこし、その中で、着実に春闘を高めてゆきましょう!
●米日反動の手先、修正主義者、トロツキストと断乎として闘いましょう!

  一九六四・四・一三
       日本共産党東大学生総細胞

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