1960年代の学生運動の歴史的文書 No.5

<四・一七ゼネストを支援し憲法改悪阻止・完全実施の闘争を前進させよう!
                 
統一社会主義同盟神戸大支部 1964年4月

周知の「公労協」を中心とする四百万の労働者は、来る十七日半日ストで総決起します.このストに対して池田内閣は、連日「違法スト」 という名で警告と弾圧をくりかえしています.しかしながらこのストは「賃上げ」 という労働者の要求のみにもとづいて行なわれるものではなく、独占資本の進出と、高度経済成長政策の矛盾としわよせを、一身に受けている国民生活要求を体現して闘われるのです.戦後のめざましい世界一の経済成長を支えてきた勤労国民は、そのもとで低賃金と労働強化に苦しめられてきました.あいついでおこる国鉄の事故、第二・第三の三河島・鶴見の大惨事が起らないという保障はどこにもありません.昨年十一月に起った三池炭鉱の大爆発は、一夜にして六百人の尊い人命を奪いました.
「労働者は、生命まで売ってはいない」という叫びが全国民をとらえました.
 さらにひき続く物価上昇は、国民の生活を根底からおびやかしています.こうした状況の中で、日本の労働者が、 みずからの生活を守り、そのことが国民の殆んどが勤労者の生活向上につながることを自覚してたち上ったのです.
従って労働者が必要としているのは、同情ではなく具体的な物質的支援です.池田内閣は、こうした労働者の要求を、六日間無視し、ゼロ回答をしながら、今になって一方で処分を、一方で話し合いをという二面作戦で対決し、具体的な解決策をもたないまま、公労協がストを打たざるをえない状況に追い込ん.でいます.我々は、次の理由で公労協ストを支援します.それは今度のストが失敗したら、池田内閣が公然としておし進めている憲法改悪を、阻止することが困難となってしまいます.戦後の国民の精神的支柱である平和と民主主義を体現した日本国憲法は作られたその日から占領軍の手によって、保守支配層の手によって、骨ぬきにされました.その最大のものが公共企業労働者のスト権剥奪と自衛隊です.有名な二・一ストに匹敵する今度の四・一七が成功すれば、スト権奪還・憲法完全実施の展望がきりひらけてきます.
敗北すれば、日本の労働運動・革新運動は限りない後退に後退を重ね、改憲の策動に道をゆずることになります.
そこで、独占資本・政府自民党は利用できるすべてのものを利用してこの瀬戸際をのりきろうとしております.
ところが、まさかと思った方もあると思いますが、又もや日本共産党がヒッカカリました(政府の思うツポ).日頃労働者のためにと称する労働者措級の前衛が又もや裏切りました。二・一スト回避いらい大きな運動ごとに労働者の期待を裏切り、平和運動に至っては、国民に背をむけてきた彼らの歴史に輝かしい一ページをつけくわえたのです.四月九日のアカハタの声明は、「労働者大衆を政府と大資本家の謀略・弾圧・処分に身をさらさせることになる」と、脅迫じみた言辞までろうしてなにがなんでもストを中止させ妨害しょうとしているのである.資本主義社会において労働者が弾圧なしにストライキが出来るということはありえない.
それは、問題の一側面をいったにすぎない.我々はかく主張するものです.
一九六四年四月
   統一社会主義同盟神戸大支部

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