1960年代の学生運動の歴史的文書 No.8 |
<五・二一統一行動に起ち上れ!> 大阪府学連執行委員会 1965年5月4日 |
ホノルル会議以降、アメリカ帝国主義はベトナム戦争をますます危険な淵へと追いやっている。海兵隊は増派され、すでにベトコンとの直接の戦闘へ投入されている。北爆はいっそう強化されハイフォンへの爆撃も鋭く日程にのぼらされている。 アメリカ帝国主義は、ベトナム戦争を有効に展開し、かつ米中戦争をも狙って、世界的な戦略体制の再編強化を必死に推進しょうとしている。オーストラリア戦闘部隊のベトナム派遣、サイゴン政府への軍事援助の拡大、台湾政権の強化、日韓会談を中軸とした日本による朴政権の維持とテコ入れ、NEATO結成へのこのような動きはベトナム戦争を世界戟争へと追いやる、もっとも危険な兆候である.ベトコンの進撃とドル危機の現状から、坐すれば死、待っては崩壊せざるをえないところまで追いたてられたアメリカの最後にえらんだ戦争への道である。 インドシナの「共産主義」からの防衛に、共通した利害をもつ日本帝国主義のアメリカに対する加担は、アメリカ帝国主義をもっとも勇気づけている。 現在、フランスの対ソ接近、サイゴン政府の動揺と、アメリカの極反動的政策に反対し、ちゅうちょする動きもみられる。しかし、中ソの分裂もあいまって、国際世論は決定的にアメリカ帝国主義の意図を封じ込めえていない。とりわけ日本の民主運動は、佐藤政府にアメリカへの加担をやめさす勢力にまでは成長していない。アメリカ帝国主義とのベトナム政策における、軍事的抑圧か、経済的圧迫かの手段の違いはあれ基本的にアメリカ帝国主義を強力に支持し、日韓会談の主役たる日本帝国主義に決定的打撃を与え、その政策転換を迫ることはアメリカ帝国主義のベトナム侵略を困難なものとせざるをえない。日本の人民の間には、アメリカ帝国主義の侵略戦争に憤激する声が拡がっている。そして各戦線においては急速に燃え上ろうとしている。 しかし、まだ全国的にそれが集約されていない。全国闘争を展開しえていない。 今こそ学生運動が、全国闘争への突破口を作るべきときである。大阪の学生運動が第一に起ち上がるべきときである。国会あけの5月末から6月初旬にかけて日韓条約の調印が行われることは、ほぼ確実な情勢である。自民党は参院選を目指して、日韓条約調印へ体制固めをすでに完了したかにみえる。われわれは、調印まえに、圧倒的な学友を結集し調印阻止闘争を全国的規模で闘わなければならない。 大阪府学連執行委員会は、五・ニー全国学生統一行動に半日授業辞退など可能な最高の形態で起ち上るよう提起する。連休明けから直ちにクラス討議を組織せよ! 講演会、抗議集会等で、五・ニーへ向けて学友の意思結集をはかれ! ベトナム戦争に対する日本独占の反動的役割を強調せよ! 日韓会談のベトナム侵略加担の意義を徹底的に宣伝せよ! 反独占闘争へ、全国的に集約する運動の内容を形成せよ! 五・ニー全国学生統一行動に圧倒的学友を結集せよ! アメリカは北爆北侵を即時中止し、ベトナムから手を引け! 佐藤政府の戦争協力を断乎糾弾する! 極東の戦争を拡大する日韓五月調印阻止! 一九六五・五・四 大阪府学連執行委員会 (大阪府学連通信) 5・4 |