1960年代の学生運動の歴史的文書 No.9

<整然たる巨大なプラカードデモで6・9を断固闘おう!
         
       大阪府学連書記局 1965年6月4日

▼佐藤政府は侵略加担を直ちに止めよ!
ベトナム戦争は全面戦争への危機的情勢を増々色濃くしています。ベトナム民族解放運動の一層の高揚と米・カイライ軍の敗退、米侵略政策の世界の世論からの一層の孤立化の中で米政府は新たな 「決断」 を迫られています。彼らは核兵器使用、地上軍五〇万増派、ハノイ爆撃などを鋭く日程にのせ日韓会談を始めとする佐藤政府の全面的侵略加担を支えに極東に於ける戦争の狂気じみた拡大を計っています。我々日本の平和運動に課せられた任務は、何よりも佐藤政府の侵略加担行為を一切止めさせることです。全国民的な統一した対政府闘争によって政府の戦争政策の撤回を迫らねばなりません。
▼全民主勢力は六・九を統一して闘え!
ベトナム・日韓のこのような緊迫した情勢にもかかわらず国民の平和の意志は未だ十分に運動として組織されていません。その意味で阿部知二、日高六郎氏らの呼びかけた六月九日の社会党、共産党、稔評、中立労連の一日共闘の実現は、分裂を繰返して来た日本の平和運動に統一の希望を与え、ベトナム日韓闘争の飛躍的発展を期待させるものでありました。しかし残念ながら東京に於ては又しても二つの集会、二つのデモ、京都では六・八、六・九に分裂した集会、大阪に於ては総評社会党系のみの集会が予定され、分裂は何ら克服されそうにないという実状です。今日京都に結集した全関西の数千の学生の名に於て、我々は全民主勢力が六・九を統一して闘う為に今一度真摯な努力を行なうよう強く訴えよう。

▼六・九全国学生統一行動を成功させよう
その為には我々学生戦線自身が統一した闘いを展開することが無条件に必要です。統一した闘いのみが真に学生の利益を擁護しうるものであるという観点に立って二度にわたる 「全大阪統一自治会代表者会議」を始めとして、行動の統一の為の全ゆる努力を払って来た我々大阪府学連は、六・九全国学生統一行動が真にその名に値する巨大な統一した闘いとして実現する為に、積極的にイニシァティブをとることを約束すると同時に、全ゆる地方で、全ゆる分野で、全ゆるレヴュルで総ての学友が積極的に行動の統一を追求するよう訴えます。

▼整然たる巨大なプラカードデモこそが運動の前進を保障する戦闘的デモである!
デモの定義は@佐藤政府、アメリカ政府に対する抗議、A市民に対するアピール、B民主勢力への統一の呼びかけ、C参加者が今後の課題を確認し、クラスに戻って更に巨大な運動の組織者となることである。それは圧倒的学友の反対意志を全て結集しうるデモの形態こそが、最も力強いものであることを示している。街頭ラディカリズム→マス・コミが取上げる→世論を喚起→政府に対する打撃という図式は正しいか。むしろマス・コミは民主運動全体に対する国民の不信を強めるためにそうしているのではないか。官憲の不当弾圧に対して物理的反抗を行なうことのみが、我々の権利を擁護しうる道か。更に圧倒的な国民を結集して政治反動と闘い、違憲公安条例を撤廃させる為の闘いこそ基本的な解決の道である。
一方民主諸勢力の学生運動に対する不信、学友のデモに対する不信と、それは学生運動に余りに大きな犠牲をもたらして来たのではなかったか。
一九六五年六月四日
         大阪府学連 書記局

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