1960年代の学生運動の歴史的文書 No.10

<統一全学連実現のための緊急アピール
         
大阪大学学生自治会連合・神戸大学学生自治会中央執行委員会
           立命館大学一部学友会 1965年6月25日

貴自治会におかれましては日夜御奮闘の事と思います。
さて、最近の内外情勢----ヴェトナム危機の恒常化と拡大、日韓会談の二二日調印、戦後最大の不況、佐藤新内閣の確立等---は、全ての平和と民主主義勢力の広汎な統一を緊急かつ最重要な課題として我々の前に提出している。
学生運動においても例外ではない。戦後日本の民主主義運動の中で輝かしい役割を果してきた学生運動は、その先頭に立ちうるし、又立たなければならない。全国的規模の多面的、包括的運動を可能にする全学連組織の統一の即時実現----これこそがそのための唯一の道であり、全国学友の心からの願いである。統一全学連の即時実現は可能であろうか。然り、可能である。一切のセクト主義、分裂主義が葬り去られるならば、それは直ちに現実となるであろう。再建「全学連」と「未参加」自治会とが別項の五点で意見の一致を見るならば、統一全学連の即侍実現は可能である。そのために我々は、「全学連中央執行委員会」 に別項の提案を行い、正式の話し合いの場を作るべきだと考える。
貴白治会におかれましても、別項の提案を慎重に検討され、支持して下さるようお願い申し上げます。

 全学連中央執行委員会への提案(案)
我々をとりまく内外情勢は、日本学生運動の真の統一を緊急に必要としている。全国学友は統一を熱烈に願っている。だが日本の学生運動は残念ながら分裂している。安保闘争以後続いた二つの集会、二つのデモ″という悲劇が依然として繰り返されている。分裂がどれほど多くの損害を与え、犠牲者を出してきたことであろうか。不幸な分裂は全てセクト主義に起因している。一切のセクト主義がすてられた時、統一は実現されるであろう。
 統一----それは闘う統一であり、全国における、地方における、自治会における統一であり、行動における、組織における統一である。全学連----それは全国学友の統一の最大の象徴である。再建「全学連」がかかる統一を実現していないことは厳然たる事実であろう。
我々は再建「全学連」に多くの批判点を持っている。だが、統一の緊急性と重要性を考え、最低限、以下の諸条件について諸君と意見の一故に達することが出来るならば、再建「全学連大阪大会」に参加する用意がある。その時、輝かしき統一全学連実現の道がきり開かれるであろう。
一 批判の自由と行動の統一を厳守し、学生運動の統一的発展を追求すること。
二 全学連大阪大会は全ての自治会に無条件で門戸を開放すること.
三 全学連規約を遵守し、民主的運営を保障すること.
四 関西三府県学連の組織的統一を回復すること.
五 単一都学道再建に努力すること.
以上の点について諸君の意見を聞き、諸君と真剣に討論し、意見の一致をかち取るための会議を早急に開かれるよう、ここに共同で提案する。
諸君の誠実な解答を期待する。
一九六五年六月二五日
全学連中執殿
(付記〉
1 事態が緊急を要しますので、六月二五日、PM六時までに立命館大学一部学友会(Tel省略)まで御返事して下さい。問い合わせ、提案(案)についての御意見も合わせて御連絡下さい。
2 「全学連」中執への申し入れは、二五日までに集約し、二六日に神戸大学学生自治会、大阪大学自治会連合、立命館大学一部学友会の代表で行いたいと思います。御了承下さい。
3 尚「全学連」中執との会見は、六月中に行いたいと思います。決まり次第、再度連絡しますから、その時には必ず出席して下さい。

各自冶会殿
 大阪大学学生自治会連合
 神戸大学学生自治会中央執行委員会
 立命館大学一部学友会

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