「民主主義の旗」第19号 1964年10月27日


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10・29原潜阻止全国統一行動に起て!!
          学生運動統一の基礎に-
【主張】 全国的共同行動の中で学生戦線を再建しよう
          =10・17全自代の報告と方針=
10・17全自代開く  行動の統一主張  無謀な全学連再建決議

<10・29原潜阻止全国統一行動に起て!!学生運動統一の基礎に>

  -- 統一した闘いで原潜阻止--大阪・京都・兵庫・九州四県学連よびかけ--

 ハワイを出たアメリカ原子力潜水艦の日本寄港はせまっている!
 国民の意識はオりンピックの方に向けられ、政府はそれを利用しオリンピック直後に第一回寄港を予定しているといわれる。
 すでに関西三府県学連と九州学連によって全国の学生が十月二十九日に統一して闘うよう呼びかけられ、全国各大学自治会で十・二九統一行動への闘いの火はつけられている!すべての学生の抗議の意志を十月二十九日の全国統一行動に結集させ、原子力潜水艦の日本寄港を限止しょう。

 原潜寄港阻止を統一して闘い、分裂した学生戦線を統一し、十・二九全国闘争をともに闘うため、関野三府県学連および九州学連の呼びかけは全国各地の自治会で討議され、十月二十九日が一応全国的な規模で闘われることがあきらかになってきている。
 一方、十月十六日、世界の平和勢力によって闘いとられた部分核停条約に反して中国が第一回核実験を行なった。アメリカ政府は極東軍事体制の再編過程の一環としての原潜日本寄港をおしすすめてきていたが、中国の核実験はそのもの自体の犯罪性とともに日本政府に寄港の絶好の口実をあたえさらには日本の核武装への口実を与えるという意味においても認められないものであった。
 こうした新しい情勢のなかで、学生の統一行動が準備され、すでに、大阪の阪大・市大・工大・学大・女子大、京都の立命・京大・同志社・京都工繊・その他東京の東大・教育大・法政、九州の九大・大分大・佐賀大・岡大などで全学全日ストや平日ストや授業辞退の方向で闘いが開始されている。
 十九日東京での自治会代表者会議で最終的に共同行動が確認された。四地方学連(大阪・京都・兵庫・九州)はこの闘いを 米原潜日本寄港阻止!日本の核武装阻止!
 アメリカは東南アジアから手を引け!
 中国の核実験反対!!全面核停を要求する!!
 のスローガンのもとに集約し、日本独占と帝国主義のいっさいの反動的なあらわれに断固として闘うことが確認されている。
 また一方、今まで学生運動における大きなガンであった平民学連は十七日、十八日東京で開かれた全自代ではこの統一行動を拒否したが、関西の一部の平民学連に結集する学生も条件つきでともに闘う姿勢をみせておることは注目に価するといえよう。

【主張】
全国的共同行動の中で学生戦線を再建しよう
=10・17全自代の報告と方針=


 「平民学連」系自治会の呼びかけによる10・17全自代は、かちとるべき成果として学生戦緑の現状と当面する諸課題そしてそれらに基いて全国的統一闘争をいかにして保障するかを予定していた。(本紙17・18号参照)六〇年安保闘争以後の不幸な分裂は学生運動における統一した闘い=行動の統一を全く破壊してしまっていた。客観情勢からの全学連再建の要請は緊急のものとなっている。全学連再建は全国的な大衆行動の昂揚の中でしかなし得ないとすれば、いま必要なことは、まさに全国自治会の交流・連帯であり共同闘争の確認でなければならよかった。

<全自代の経過>
 にもかかわらず全自代世話人会は、全学連再建をどのようにしてかちとるかーつまり共通の課題での行動の統一をいかにしてかちとるかを抜きにして十二月再建を提起しそれを前提とした会議の運営を強行した。これに対して大阪大学教養・文・法・経・理・医・工七学部自治会の共同提案は、単に再建の必要性を語るのではなく再建の主体的条件をどう成熟させていくのかー一致できる課題の確認と共同行動をどう回復させるのかを具体的に提案したものであった。阪大から提案した行動統一のための決議も「平民学連」系は分裂主義者との統一はナンセンスとの論理で拒否し、彼らが戦線の分裂からなんらの教訓もくみだしていないこと、学生運動の現状に無理解であり再建について真剣に検討していないことを自ら暴露した。
 十二月全学連再建が強引に決定された後、阪大七学部自治会、京大経、京工機大工芸、大阪工大一部、阪学大天王寺分校、神大教育教育大文・農の14学生自治会からの緊急提案は次のごとく述べている。「……学生運動の再建統一を真剣に追求している全国の自治会代表が一堂に会し、率直に意見を交換し、徹底的な討論を行ない当面の任務について意見の一致をかちとり全学連の再建・統一のために共同の努力を開始するための全自代は極めて重要な意義を持つものであると考え、われわれは積極的に参加した。この二年間何度も全学連再建が試みられたがことごとく水泡に帰した。それは日本の学生運動の分裂の固定化、分裂の拡大再生産以外の何ものももたらさなかった。われわれが真剣に全学連再選を考えるならば安保以後の分裂から教訓を導きだし、その教訓の上に立って全学連の再建・統一を慎重に検討すべきである。世話人会、「平民学連」派の諸君は12月全学連再建をここに強引に決定した。全自代はいまや全学連再建準備会議と化した。……中略・・・・・
われわれはこの全自代が学生運動史に汚点を残すのではなく、画期的な位置を占めるための最後の努力として次のことを提案する。変質した全自代を正常な全自代に返し、当面の行動の統一を勝ち取るための討論と諸決議を行なうべきである。われわれは具体的な諸決議を提案する用意がある。……後略・・・・・・

<総括と今後の方針>
われわれの主張を拒否するために「平民学連」派が分裂主義者との統一はナンセンス等のセクト的主張を対置せざるを得なかったことは、われわれの方針の正しさをはっきりと示している。「平民学連」派が「全学連」再建を強行すればそれはセクト集団とならざるを得ないであろう。
 阪大七学部自治会提案の全学連再建の基本的コースの具体化に対して「平民学達」派自治会からも支持があったことは今後の展望に明るさを加えている(記事参照)。したがって今後の方針は次のごとくでなければならない。
1、「平民学連」派をも含めた共同行動をあくまで追求し、その中で「平民学連」派による「全学連」再建デッチ上げを阻止すること。
2 当面、原潜檻阻止の闘いの中で行動の統一をかちとり、大衆行動を昂揚させること。
3 その中で自治会・地方学連の再建をかちとること。
4 就中正常に機能しており、運動の強固な基盤をもつ関西三府県学連の連帯を強化し、その中で関西学連の再連をかちとること。

<統一行動を盛り上げよう>
 そしてこれら四点に要約される方針を具体化するために、われわれは学友の先頭に立たなければならない。学生戦線の久しい混乱と分裂の基礎をなしていたものが、まさに思想、信条の相違を理由に一致できる課題での共同行動を拒否し、みずからの思想をアプリオリに大衆団体に押しつけたことにあった以上、われわれは何よりもまず当面の具体的課題での統一した闘いを盛りあげなければならない。

 当面、原潜寄港阻止の闘いを統一して闘い、そのなかで学生戦線分裂の止場、全学運の再建を勝ちとらなければならない。
 われわれ民主主義学生同盟は学生戦線の闘いのなかで今後も全国学友の先頭に起つであろう。
 
 ☆全国的統一行動の中で原潜寄港断乎阻止!
 ☆統−した闘いのもと全学連を再建せよ!

10・17全自代開く--行動の統一主張・無謀な全学連再建決議

平民学連系自治会が呼びかけた全自代(全国学生自治会代表者会議)は十月十七日・十八日両日東京で開かれた。招集方法、議事内容など大きな疑問と問題を最初から含みながら開かれたこの「全自代」は、まず資格審査において極めて大きな欠陥を示した。すなわち@正式府学連代表の会議参加権(オブザーバー権)を認めなかったこと、A正式には代表と認めがたい自治会の「代表者」を認めたことB正式自冶会不参加の際個人参加を認めたことなどである。
 不正常なまま会議は開かれた。会議に対する提案は、「全自代世話人会」から出されたが、それは十二月全学連再建を自明の理とし再建への条件についての問題を一切抜きにして、再建大会の日程や再建全学連の任務を述べるというものであった。「全学連に賛成の人も反対の人も参加できる」と呼びかけた主旨は会議の真先に踏みにじられた。

 大阪大学七自治会はこれに反対し、全学連再建への条件、現地点での再建の是非の検討を行なうよう提案した。これは不十分にとりあげられた。「世話人会」提案は大阪大学七自治会の議事運営に関する提案を無視して、再建すべき全学連再建について語った。十二月全学連再建はすでに無条件支持が前提されていて、その正当性についての報告もなかった。大阪大学七自治会から出された対案は、過去の全学連の分裂の経過と原因当面する情勢とわれわれの任務、学生運動の現状と全学連再建問題がのべられ、トロッキスト系諸君の自治会「全学連」の暴力的占拠分裂組織、平民学連の結成と行動の分裂が、全学連崩壊の主要な原因であったことを述べ、当面する課題の一致にもとづいて統一行動を回復していくことが全学連再建への唯一正しい接近の道であることを説得的に訴えた。そして、現地点では、過半数の自治会が「全自代」に正式参加していないこと、行動の統一がまだ現実として回復されていないことから、十二月全学連再建は時期早尚という結論を導き出した。討論は活発に行なわれた。「世話人会」提案を支持する自治会(平民学連糸)は、自らの自治会内部における全学連の必要性から、抽象的一般的に十二月再建に賛成した。それは他大学とりわけ全自代に参加していない大学との関係を無視していた。京都の平民学連議長からは、平民学連がとった行動は分裂主義でありこれはまだ一部でしか克服されていない、という自己批判と、それ故に、今こそ行動の統一をはかることが必要であり、この行動の統一一の基礎の上に、十二月という行動の統一の保障さえつきかねる時期ではなしにもっと長期的な展望の上に全学連は再建されねばならない、という報告があった。二日目に入って行動の統一をかちとる具体的提案が行なわれた。十月二十五日の神戸集会を民主勢力との提携の下に闘い、十月二十九日の全国学生統一行動を全国の大多数の大学の参加する実質上の全国統一行動(六十二年大管法闘争以来行なわれていない)として成功させるという提案であった。それは全学連再建に大きな展望を与えるものであった。しかし平民学連中央指導部は、統一して闘おうとする地方の多くの大学の意向を強引に押さえつけて、十・二九全国学生統一行動への不参加を通してしまった。大衆運動の利益の上に、自己のセクト的利害をおく平民学連の分裂主義が明確にうきばりにされた。「世話人会(平民学連)の提案に対する賛成は一二八、反対十四、保留四で、これまで平民学連系に近かった部分が、一部反対と保留にまわったことは注目される。十二月全学連再建に賛成したものが、全国三〇〇以上あるといわれる自治会のうちわずか一二八自治会であった。もしこの一二八自治会が十二月全学連再建を強行するならば、それは平民学連系の分裂全学連=分裂の固定化、しか意味しないだろう。

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