「民主主義の旗」第46・47合併号 1968年4月10日


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☆  民学同第九回大会開く
同盟分裂の危機を克服し全国的、大衆的学生運動の再生へ

 民学同第九回定期大会決議
クラス、学園を基礎に大衆的なベトナム反戦の闘いを築き上げよう

☆ 同盟破壊分子の脱落とその教訓

民学同第九回大会開く
同盟分裂の危機を克服し全国的、大衆的学生運動の再生へ

 民主主義学生同盟第九回定期全国大会は、三月二五、二六日の二日間にわたって開かれた。
一部全国委員、全国代表委員の同盟破壊策動と一連の暴力行為によって同盟が組織的分裂の危機に陥入れられる中で開かれた今大会は、三月十八、十九日の全同盟員総会の成功と全同盟員の統一のための努力によって、混乱に終止符をうち、一部諸君の同盟からの脱落に留めることができた。
 歴史的任務を負った九大会は同盟内部に発生した思想的理論的混乱を克服し、「今年こそベトナム反戦勝利の年にしよう!」のメインスローガンに始まる大会草案を綿密な討議の末、満場一致で採択した。新全国代表委員会、全国委員会を選出し、二種の決議を採択し、二日間の日程を終了した。

 三月二五日
 全同盟員総会決定の民主的大会開要綱に従って選出された全国の代議員、評議員の圧倒的参加のもとで討議が開始された。
 全国委員会より絵括、情勢、任務、方針の一括提案の後ただちに討議に入った。
 全国委員会は今大会の意義が先ず@同盟破壊策動からの同盟の防衛、統一と団結の強化A現局面の正確な分析と統一的政治方針の作成と全同盟的意志統一B同盟各級指導体制の整備、全国的な闘いの経験の集約と宣伝、煽動、組織者としての機関紙「民主主義の旗」の定期的発刊と財政体制の確立C学園闘争−大学自治防衛闘争の方針作成にあることを報告した。
 討議は、今回同盟を離脱しょぅとしている諸君の、思想的、理論的源泉に対する批判に集中し別項の「経過と教訓」の結論をひき出した。
−一部全国委員等二十数名棒切れを持って殴り込む
 この間、一貫して暴力行為を働き、同盟破壊の最先端を切ってきた立命大、京大、市大等の一部は、自らの立場が白日の下に明らかになるや、大会を暴力的に破壊するという、トロッキストまがいの暴挙に出た。傘、棒切等を布地に包み、会場の戸をこじあけ、窓ガラスを割り、全国委員会の説得にもかかわらず、大会代議員、評議員に殴りかかった。負傷者は二十数名を越え、顔面を強打されたため骨折きせられるという事態にまで立至った。
 「もうこの辺で引き上げよう」と言う彼らには既に民主主義の片鱗をも認めることばできなかった。

 三月二六日
 前日の殴り込みのため、警察の動きが激しくなり、全国委員会は会場を変更することを決定した。朝十時える同志が結集していた。
 再び彼らが二手に分れて集団で行動しているという情報を手に入れた全国委員会は、再度会場を変更することを決め全同志に連絡した。
 二日目の討議は、@今年こそベトナム反戦闘争勝利の年に、A侵略加担佐藤内閣打倒、B現地闘争主義を拒否し、全国的大衆的学生同盟の再生へ、C労働者、青年との連帯を強化しようの四点に集約される。
 特に羽田−佐世保闘争総括をふまえての、大衆的学生運動の再生、ベトナム反戦勝利の年にのスローガンは全体の強固な確信として定着された。


一部脱落分子の第九回全国大会に対する、なぐり込み、組織破壊策動を弾劾する決議

 全国の同盟員諸君!
 民主主義学生同盟第九回全国大会に結集し、同盟の光輝ある伝統を守り抜き、大衆的戦闘的同盟隊列の全国的強化を誓ったわれわれは「代表委員会」強行による同盟隊列の破壊、市大、京大同盟員への暴力行為をこの間一貫して行なってきた一部脱落分子がついには第九回全国大会へのなぐり込みという破廉恥きわまる行為に及んだということに対し、強い憤りをこめて弾劾する。
 彼らは25日の大会第一日目に、ヘルメット、棒切れで武装し、大会々場に乱入し、二十数名の同盟員に負傷させたのである。
 同盟員諸君!
 これが、暴力的組織的破壊策動でなくて何であろう。それが、自己の主張が全同盟員の支持を得られないとなるや、テロ行為をも辞さない彼らの本質であることは明白である。
 われわれは、一部脱落分子の暴力的破壊活動を拒否し、弾劾し、断固として民学同の伝統と隊列を防衛し隊列の大衆的全国的前進をかちとろう!
                  昭和43年3月26日
                   民主主義学生同盟第九回全国大会

 
民学同第九回定期大会決議
クラス、学園を基礎に大衆的なベトナム反戦の闘いを築き上げよう!

 全国の学友諸君!
 全国の新入生諸君!
 春の闘いを開始させるにあたって心から友情と連帯のあいさつを送る。最近の一連のベトナム情勢がくっきり示すように、アメリカ帝国主義のベトナム侵略戦争は完全にゆきづまり、矛盾と孤立化を急速に深めている。全世界の反帝平和の闘いは巨大な前進をとげている。日本の青年学年運動も一昨年来大きな運動の高揚を経験している。そのような闘いの成長と同時に決して看過することのできない一連の切実緊急な諸課題が発生している。
 わが民主主義学生同盟第九回大会におけろ討議をふまえ春の闘いの基本的方向と、わが日本青年学生運動の切実な克服すべき諸点について大胆に全国の学友に訴える。
 現在の情勢の中で、アメリカ帝国主義の最も好戦的支配層=ジョンソンーラスク体制を孤立させ、佐藤内閣に痛打を与える青年学生運動の前進にとって今なにが決定的に求められ、何が障害になっているのであろうか。
T 第一はベトナム反戦闘争の中心課題スローガンが何かということである。
四月一日のジョンソン演説はアメリカ帝国主義の内外における矛盾の異常に深まりその孤立化を鋭く示した。同時に、依然としてジョンソン政府は全世界反戦平和勢力の可及の要求、北爆即時無条件停止に抵抗し世論を誤まった方向に導く方策を捜し求めており、和平ポーズをいちぢくの葉に新たなる侵略拡大策動していることを示している。佐藤内閣は今や全く絶望的たジョンソンの侵略政策に対し日米共同声明以後平和を求める諸国民の願いに逆らいベトナム侵略加担に拍車をかけていた。米帝支配層の深まる矛盾と孤立の中で右翼片肺内閣に対して全野党、一部自民党、労働者階級を始めとする全動労人民は鋭くその責任を追求し決起している。人々は次のことを自覚している。『本店の社長が金しばりで辞職するのに支店長の佐藤が辞職しないのはおかしい』と。
 かかる情勢の中での運動の中心スローガンは今や明白に次の点にある。北爆即時無条件停止せよ!ベトナム侵略に協力加担する佐藤内閣を打倒しよう!この課題だけが支配層の最も反動的好戦的支配グループを孤立させ、最も広範な諸階層を団結させることができる。
 現在日本青年学生運動の一部に発生している王子野戦病院設置阻止闘争、成田空港拡張阻止闘争のみに行動の焦点を求め、全てを「70年闘争」の一歩として呼号する空論主義的傾向を断固として克服しなければならない。わが同盟は「今年こそベトナム反戦勝利の年にしよう!」を合言葉に、北爆即時無条件停止、佐藤内閣打倒を中心課題にに春の闘いを一路前進する覚悟である。

U第二は統一戦線の問題である。
現在の情勢の中で日米帝国主義支配層の好戦的反動的グループと闘うために求められているものは何か。それは労働者階級を中軸とする国民諸階層と固く団結した闘いである。全民主勢力の自覚的一翼、層としての学生の闘い、これこそ先輩諸兄が戦後日本の反戦自由、平和と民主主義のための闘いの中で得た日本学生運動の共有財産である。
 アメリカ本国でも、伊、仏、ベルギー、西独など全世界いたるところでベトナム反戦の闘争は高まっている。ソ連を先頭にして社会主義世界体制のベトナム人民支援の闘いは英雄的ベトナム人民の闘いを強力に励ましている。社会主義世界体制の前進、内外労働者階級の闘いに学生の闘いを正しく結合したとき道は切り拓かれ、展望は開ける。
 吉野源三郎氏は次のごとく語った。
 「沖縄では保守的な人までまとまって日本復帰の決意で運動をやっており、本土でもそれに見合った国民の幅広い統一戦線が必要である」
 
これこそ、日本の学生運動に今求められている答えであろう。
 全国の学友諸君!偉大な統一戦線をつくりあげる最も困難な、だが名誉ある闘いに体を張ろうではないか。わが同盟はかかる統一のための闘いにその全勢力を集中し前進する決意をうちかためている。
 一部の学生諸君!統一のためにそのカを集中し、労働者階級の指導性発揮のために献身し、断固としてトロツキズムと手を切りたまえ!
 民主青年同盟学生班の諸君!
 課題に基いた統一、批判の自由と行動の統一の大原則にもとづき日本学生運動の大統一を回復し日本学生運動の伝統を廼らせよう。
 断固として闘争放棄を拒否し、分裂主義と手を切りたまえ!
U 第三は、三派「全学連」のごとき小人数の極左的はね上がりを学友自身の自覚と団結で克服することである。
 今日ほど大衆的全国的闘い、全ての学生の行動に参加できる大衆的行動形態が自覚的に追及される必要性の重大な時はない。
 困難な学園におけるクラス活動を放棄する三派「全学連」の諸君の、学友大衆から孤立した、小人数の活動家による現地動員主義こそ当面の学生運動が克服すべき最大の課題である。
 わが同盟は、このような現地動員主義をきっぱりと拒否している。全国のすべての学園において、あくまでもクラスに依拠し、クラスぐるみ、学部ぐるみ、学園ぐるみの全学的規模の大衆的闘いを一貫して追及して闘ってきた。わが同盟はかかる闘いをクラスから支える大衆的学生同盟なのである。われわれは春の闘いにおいて徹頭徹尾、クラスに依拠した大衆的闘いを建設する決意を固めている。
 日本学生運動の伝統こそは、あの安保闘争における全国数万の大衆的闘いであり、64年6月憲法改悪反対の全関西決起集会七千名の円山公園の闘いである。全国学園を揺り動かしどよめかす方余の学生の決起、これこそ日本の政治を変えうる力なのである。変革に参加する大衆が広範になればなるほど変革は深刻である。
 わが同盟は春の闘いにおける実例の力によってこの任務を実現するのであろう。
 大衆的学生運動の前進にとって極左一揆主義、ヘルメット・根棒戦術は極めて有害である。真に敵に打撃を与える闘いは、あくまでも組織された規律ある大衆的闘いである。真に戦闘的学生運動とは、最も広範な学生が参加できる大衆的運動である。
 ここにこそ、日本学生運動の進路がある。一切の極左一揆主義的はね上がりを排し、徹底的に大衆に依拠した闘いを、規律ある巨大な隊列をうち固めるべくわが同盟は、その力を集中し不退転の闘いを進める決意である。
 今、春の闘いを開始するにあたって、全国の学友諸君に訴える。
 日本学生運動の大衆的伝統を今こそ再生させよう!
 ベトナム反戦闘争の勝利目指して共に隊列を組み前進しよう!

 
同盟破壊分子の脱落とその教訓


 歴史的任務を負ったわが同盟第九回全国大会を前にして行われた一部全国委員、全国代表委員の同盟破壊策動は全同盟員の努力によって既に克服されつつあり、その範囲を一部の脱落分子の同盟からの逃走に留めることが出来た。
 われわれはあくまでも光輝ある民学同の伝統を守り抜き、学生戦線の統一の体現者としての自己の任務を貫徹するために、ここに一部の諸君の同盟破壊策動の事実とその克服過程、そしてその教訓を責任をもって明らかにし、全国の学友諸君の信頼に答えたいと考える。

一、分裂の契機と経過
 わが同盟の隊列から脱落した一部の諸君は、昨年のいわゆる第一次、第二次羽田闘争から、とりわけ佐世保闘争を闘う中で急速に極左的偏向を深め、思想的にも実践的にもトロツキストと完全に自己を区別しえなくなったといっても過言ではない。そして彼らは、同盟第九回全国大会で自派のセクト的支配を確立しょうと試みた。そのため大会準備の始めから、政策力針上の論議を行うのではなく、乱暴に規約を踏みにじり、徹底した分裂活動をもって実際の小数派が大会代議員の多数派を占めるような非民主的大会開催要綱の決定に全力を傾けた。これが今回の同盟分裂をもたらした直接の契機である。

<全国委員会の討議の放棄>
 二月十二日第一回全国委員会を皮切りに都合七度にわたって行なわれた全国委員会において、今回脱落していった一部の全国委員は少数派が大会代議員の多数を占める非民主的大会開催要綱を提案し、全国委員長以上四名の全国委員の再三の説得にもかかわらず討議に応じず、開催要綱に関する全同盟討議の指導を一貫して拒否してきた。四年生(卒業予定者)を同盟員基礎数から除外し、自派が多数を占めろ支部における代議員の選出は多数派の完全独占の方法を主張し、自派に不利な支部では少数派の代議員権を要求するという自己のセクト的利害のみを追求した大会開催要綱が各大学支部の良識ある同盟員に支持されるはずがなかった。

<全同盟討議の実質化
  −阪学大支部等における成果>
 四全国委員の全同盟討議の拒否と妨害にもかかわらず、各大学の自覚的同志によって実質化された開催要綱をめぐる論議は、四全国委員の提案に対する極めて大きな疑義の提出と、あくまでも全国委員会での一致の努力の要請とを、主要な柱として展開された。特に二月二四日、五日阪学大支部における討議では、今回脱落していった一全国委員も自らの主張の非民主性を認めざるを得ず、全体として大きく一致できる可能性が開かれたかに見えた。
 しかし二月二十六日の全国委員会では、阪学大支部討議における確認が全く無視され、東京、大阪、京都など全国各大学支部の要請はふみにじられ一致の努力の一かけらも見ることは出来なかった。

<説得を暴力的に拒否
  〜分裂「代表委員会」を強行>
 全同盟員の期待を裏切った四全国委員は、彼らが二月十六日より秘密裡に署名を集め準備した分裂「代表委員会」を強行するという暴挙に出た。
 二月二七日当日、全国委員長以下同盟の統一を願う諸同志が、あくまでも分裂「代表委員会」強行を止め統一した開催要綱作成に努力せよと説得するために、彼らの会場に入った時、あろうことか全国委員長の発言を実力で阻止するという許すべからざる行為に出たのである。
 彼らの破廉恥な行為は更に続き、三月四日、十八日十九日、二十日と五度にわたって分裂「代表委員会」を強行するに至る。一方三月二日京大の新加盟の同志に対する権利はく奪の脅迫、三日同じく京都府委員会の名による暴力査問などの一連の暴力行為は事態をますます悪化させた。

<全同盟員総会の成功
 −民主的開催要綱決定>

 自己の論理の破算が明らかになるや、唯一のよりどころを「委員長自己批判」に求め、事態を一層混乱させようとする動きに対し、委員長以下四名の全国委員は、もはや事態の解決は全同盟員総会によるしかないことを三月八日全国委員会で提案した。これに対する解答は「分裂『全同盟員総会』は認められない」であった。既に分派機関に転落していた「代表委員会」のこれ以上の強行をやめさせ統一を守りぬくために、全国委員長は、自らの責任で「同盟の分裂の危機に際して全同盟員諸君に訴える−全同盟員総会に結集し光輝ある民学同の統一を守り抜こう」と全同盟員総会招請状を発送した。
 全同盟員総会は同盟員総数の過半数を圧倒的に越える全国の同志の結集によって成功し、民主的大会開催要綱を満場一致(反対、保留、棄権なし)で決定した。
 しかし、この全同盟員総会に対しても、一部の全国委員、全国代表要員によって組織的暴力的妨害活動が連日加えられ、負傷者を出すに至った。−これは参加した全同盟員の前に彼らの意図が何かを白日の下に明らかにした。

 二、基本的原因
 内外の階級矛盾が激化するに件って進行する急速な変化に対して、その発展の基本的方向を把握するのではなく、味方の弱さのみを一面的に強調するペシミスティックな見地ーたとえば今日、国際的な平和と民主主義勢力の統一がまだ十分ではなく、米帝のベトナム侵略を完全に失敗させるに至っていないこと、国内的にも、反独占の統一戦争が十分には発展しておらず、反動佐藤を倒すことがまだできていないことなどを一面的に強調し、基本的な発展の方向、米帝の破綻と資本主義の全般的危機のいっそうの深化、社会主義世界体制の強化と国際プロレタリアートの前進、反独占民主主義と統一戦線の前進であることを見失った見地−は自己の未来を必然性のもとに理解することを妨げ、非合理的反抗主義、一揆主義に陥らざるをえない。わが同盟の隊列を去った一部の人々の誤まりも、今日の情勢に対するペシミスティックな理解に基づいている。
 そこから彼らの同盟趣意に対する重大な否定が生ずる。すなわち、平和共存に対する懐疑的な態度、反独占民主主義運動と統一戦線に対する否定的な態度がそれである。そして前者をゲバラ主義に後者を民主勢力に対する不信、三派全学連反戦青年委のみとの連滞と現地闘争による一点突破路線に置きかえようとしている。
 このような同盟趣意、規約の精神に反した偏向が同盟分裂のより基本的原因であるといえよう。これは今日の情勢の複離さ、とりわけ日本の民主主義運動の混乱に大きく規定きれていたとはいえ、学生層の持つ、いわゆる「小ブル性」−それは学生同盟において最もよく現れる--に基づくものであった。

 三、沿革
 一九六三年九月、同盟は大阪の地に誕生した。それは民青内にあって、安保闘争とその後の闘いの中でトロツキズムとの徹底した闘争を発展させ、大衆運動の統一を守り続けた人々によって結成された。これは一面では民青のセクト主義、民族主義との闘いを通じてかつ基本的には民青を正す立場からなされたものであった。それゆえ、同盟の趣意には国際的、国内的な青年学生運動の豊かな教訓と実践の試練に耐えた科学的方針が書きしるされていた。一九六五年三月、京都等の同志を同盟に迎え入れ全国同盟として再出発した。それを契機に同盟内に異質の思想−これが分裂していった人々の思想的源流となったーが持ちこまれた。
 この三年間の同盟内思想闘争−日韓闘争の位置づけと方針、ベトナム反戦闘争の方針、核防に対する方針をめぐる思想闘争−は大きくいってこの二潮流の闘いであった。わが同盟の基本思想は大阪をはじめ東京の各支部、京大、市大の一、二回生によって深く理解され、今第九同大会を成功させている巨大な原動力となっている。
 今一つの思想は主として市大、京大の三、四回生に影響を与え、立命においてその典型的表現を生み出すに至った。そして、この部分が暴力団まがいの行為で同盟を分裂きせたのである。ただわれわれは、同盟結成後間もなく同盟に参加し、原則的な大衆運動を展開してきた岡大支部がこの分裂の隊列にまきこまれたことをきわめて残念に思っている。さて、これら分裂して行った人々の思想の集中的表現である組織問題に対する見解についてここに一言しておく必要があると思う。
 京都の諸君が、四大会でわが隊列に加った時、同盟を民主主義的組織とするのが共産主義的組織とするのかをめぐって一連の論争があった。われわれは反ファシズム闘争の国際的教訓やまた安保闘争とその中で発生・分裂したトロツキスト諸組織の教訓、戦後の国際的に有利な情勢と新しい可能性を踏まえ大衆的で民主的な政治同盟こそ歴史の要求する組織であることを主張し、いわゆる「学生小型共産党」組織に反対した。
その時は京都の諸君の組織原則はやはり「小型共産党」組織である。われわれは全力を傾注して、この「左翼主義」の克服に努めたが前述した学生の「小ブル性」を自己の力だけで克服しえなかった。このことはやはり学生同盟の持つ弱さの現われではないだろうか。

四、学生同盟の矛盾と障害
 四年を過ぎるとほぼそのメンバーが一新される。学生同盟ではその指導者を恒常的に確保することが最も重要だがまた最もむずかしい問題である。指導者の恒常的確保と同盟の遺産の継承の困難性が常に指摘される。また学生はその特殊な生活基盤、政治経験の不足によって、どうしても思想的に「左」右の偏向に陥りやすい。とりわけ今日の日本のように労働者階級の指導性が混乱しており、民主運動が分裂していく中にあっては学生層のこの弱い側面が助長されざるをえない

五、解決の基本的方向
 この矛盾の解決を行ない同盟の飛躍的発展を勝ちとるためには、特別に新しい大胆な対策が必要とされている。今や労働者階級と正しく結合し、青年労働者との連帯を強化する方向で真剣に、その具体的方法、形態等を検討しなければならないのではないだろうか。

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