民学同の歴史・体験・思い出文書 No.1 |
< 同盟建設五周年おめでとう> 初代委員長 「民主主義の旗」第53号 1968年9月16日 |
平和と民主主義を愛する学生諸君! 私は民学同がここに結成五周年を迎えたことを創立者の一人として諸君と共に心から喜びたい。 民主主義学生同盟は、結成趣意が示すように「本来、日本の民主的青年を結集し、代表すべき民主青年同盟は、一部指導者の小ブル的民族主義、官僚主義、組織的民主主義の破壊により、青年の先進的部分が組織的に排除されている」という異常事態の下で、一九六三年九月十五日、意識的学生自らの手で大阪の地に誕生した。 出発当時、それは他の政治同盟と比べて、前衛党から全く自立し大阪の学生だけによって構成される学生同盟という極めて変則的なものであった。それは、当然、全国的、全人民的な視野を失い、左右の偏向に陥りやすい大きな欠陥を内包していた。だが、われわれの科学と民主主義の正しい見地に立脚した目的意識的努力によって、基本的に正しい方向を歩み続け、その力量を増大させて、ここに結成五周年を記念できることは、大いに誇るべきことである--もち論われわれは諸先輩、諸先生、諸民主団体の無私の御支援、ご協力を決して忘れてはならない--.そして今、民学同は五年間に亘って培かわれてきた力量を真に発揮すべき重大な事態に直面しているわれわれは、かつて三派「全学連」の10・8羽田闘争に続く「11・12佐藤訪米阻止闘争」に対して次のように主張した。「私達は全国の学友諸君に心から訴える。この事態について全学友が真剣に考え、緊急に正しい対策をたて断固とした行動を起すことなしには大学の自治と学生自治会は重大な危機に瀕するであろう・・。大学の自治が内部において蹂躙され破壊される時、平和の闘いが、民主主義の闘いがどうして前進することができようか・・」(民主主義の旗」第45号)。 以後、事態は急速にわれわれの憂慮した方向へ進んでいる--機動隊の導入の日常化、大学と学生運動の権威の急激な低下、文部省による大学予算の配分をテコにした締め付けの強化、四度の大学管理法制定の動き、「大学の教育機能停止措置法」の検討、等等。 世界的な学生運動の昂揚は、大学運営への「学生の参加」大学の民主的改革を現実的日程に上せた学生の責任が増大し、ますます理性的に振りまわなければならない時に「社会変革なくして大学の改革はありません」 (「中核」)とか「われわれの闘いは大学をつぶすこと」 (「革マル」)とか「大学コンミューンを築くことだ」(反帝「全学連」)などの方針では、大学の民主的改革を実現するどころか、政府、支配層の攻撃を誘発すること火を見るより明らかである。 全国の多くの良心的教官、学生は、日夜悩み続けている。大学の現在の事態の中で、関心をもち、目覚め、真剣に取組もうとしている教官、学生がますます増大している。正しい方針と正しい指導が与えられるならば、巨大な連動となり大学の真の民主的改革を実現するであろう。 私は民学同のみが正しい方針を提起しうると確信している。われわわれの確認していきた基本原則を総ての大学に具体化し総力をあげて、できうる限りの「大学紛争に介入し、指導「解決せよ」! 諸君!民学同の全国化を実現した「同盟第四回大会」の硬認を想起していただきたい。「学問の自主的、民主的発展をかちとり大学の民主的改革を実現する闘いは当面の中心環である。教育闘争を重視し、教育闘争の成功的発展なしには、学生運動の新たな昂揚をかちとり輝かしき全学連再建の幕をきりひらくことはできないであろう。 そのために、われわれは次の事を強調した。「日本国内の諸矛盾が激化するであろう我々の展望からすれば、これらの諸集団(トロツキスト集団)のニヒリスティックなアナ一キな思想と行動が一定数の学友を一時的にひきつけることは十分考えられる(このことに注意せよ)従ってわれわれは機械的な反対ではなく学友大衆に真の出口、突破口を具体的に示し、その行動の先頭にたってこれらの傾向を克服しなければならない」 国際的、国内的に平和と民主主義運動内のイデオロギー的混乱が激しい今日、この任務を成功的に遂行するためには粘り強い地道なイデオロギー活動が不可欠である。全国同盟員が、人類の到達した先進的理論について自分の理解を深め、古い世界観につきものの空文句の影響を脱し、いついかなる時にも先進的理論を擁護する必要があろう。 科学と民主主義の見地にたつ多くの研究会、文化団体、文化雑誌をつくろう。進歩的学生の要求は第一に知識や真理や文化を求めることにある。政治論闘争と併行してこれらの地道な活動が行なわれるならば、学生はその本質によって必らず民学同のまわりに集まっててくるであろう。 以上の諸任務が成功的に遂行された時、われわれは、全国百二十万の学友と共に民学同の発展を祝うことができるであろう。 良主主義学生同盟結成五周年万才! |