民学同の歴史・体験・思い出文書  No.3

都委員会結成の思い出>
              初代都委員長、A・M

              
「新時代」誌 第12号 1979年2月14日

 民学同創建15周年に対して心から御祝いと連帯、共に闘う決意を表明いたします。
 東京の地に民学同が、都委員会という地方指導部を持ち具体的に結成されたのは、一九六四年でした。大阪から遅れること一年半あまりでした。
 当時、東京における学生戦線は、きわめて混乱と分裂の状況にありました。その中で、平和共存派と言われる共産主義青年同盟、社会主義学生戦線・フロントが、一定の影響力を持っていたわけです。したがって、彼らと一時期、兄弟的同盟の関係を樹立する努力をしようではないか、ということで、一定期間、努力を続けた経過がありました。残念ながら実りある成果は得られませんでした。と いうのは、彼らの持っている小型共産党的性格、あるいは、一連の平和闘争・反独占闘争をめぐる評価等において、大きな相違が存在した実情の中で、兄弟的同盟への結合の努力というものは、実を結ばなかったということです。
 したがって、この時期は、民学同を結成することを留保していた時期で、その話し合いの決裂とともに、東京における具体的を結成が始まったということです。
 こうした歴史的経過も、東京での結成が若干遅れた事情の一つとなったわけです。
 それから、当時、学生運動の混乱ということを申しあげましたけれども、学生運動全体が、いわゆる社会主義学生同盟−プンドと言われた部分が、束京では主流派を占めていました。その他、諸々のトロツキスト諸派と言われた諸潮流が存在し、特にこれは思想状況の問題でもありますが、きわめて思想的にも混乱が著しかったわけです。
 このような事情も影響していたかと思い出します。
 こうした経緯を経てー東京における具体的な同盟建設というものが行なわれたのです。
 まあ、建設に際しては、当時、民青指導部により除名されたグループですとかーその後、新たに結集してくるグループを含めて東京における建設が進められたかと思います。
 そして、民学同東京都委員会準備会の名乗りを上げて活動し始めました。厳しい試練の連続でしたね。
 例えば、各支部一人という状況が多々ありまして、これは私なんかの経験も含めてですけれども、当時、日「韓」・原潜闘争がありましたけれども、各大学では同盟員が一人で民学同の旗をかついで校門の前に立ち、闘争への決起を訴える、こうした闘いが当時としては典型的なを取り組み方でございました。今だから言えますが、かなり無茶をことをしたもんだと思い出しますね。あるいは、私の所属する大学でこんなこともありました。原潜阻止闘争を展開した際に、全員で横須賀まで動員をかけたわけです。ところが、とにかく金がない。どうするのか、との話しにをりましてね。一晩かけて譲諭したけれども結論がでない。とにかく金がないからどうしようもないじゃないか、という話になりましてね。結論としては当時、自治会をにぎっていたブンドがバスを出すから、このバスに乗っていこうということにしたのです。プンドは、かなりの影響力も低下していました関係もあってバス二台位出したわけです。数としては一二〇〜一三〇位で、その内、我々が意図的に乗っているのが三〜四〇名でしたか。そして、着いたとたんブンドの集会には行かないで、我が派の集会の方に結集したわけです。そういうことで、多少のトラブル一めいたこともありました。
 このようを、かなり”悪どい”こともしながら、束京における同盟建設というものが進められていきました。
 というような経過で、あまりにも思い出話みたいをことになって恐縮です。若干ですが、東京における当時の結成をふりかえりをがらエピソードみたいをものを紹介させていただきました。
 ところで、今日、皆さんを見わたしておりますと、当時とは比べものにならないくらい、非常に多数の同志が結集されていて、たいへん心強く感じます。その意味において、同盟建設から十五年の闘いが決して無意味ではをかったし、むしろ、大きな足音を、日本の学生運動・青年運動を築いていることに心から喜びを感じるとともに、この喜びをもっと大きくしたいと思います。とくに、十五年ということを一口で言いますと、サイクルとしては民学同に所属する期間が四年ですね、それをおし計れば、以降十一年間にわたって労働運動や各戦線に多くの同志を送り出しているのであり、これは、やはり大きを力であろうと思います。この力を踏まえて、青年同盟建設の闘いも、同時的に闘われているわけですけれども、やはりその力を土台として大きを財産として我国の平和と平和共存、社会進歩の為の闘いを担うことを確認する為に、今日の集会があるだろうと思います。その意味で、今日、開催された十五周年記念集会を心から祝うと共に、これから更に我国の平和と平和共存、そして社会進歩に向うための巨大を共同闘争の新たな出発点として、闘いを開始すること、そのためのエネルギーの結集、そして闘う宣言の日とすることを皆さんとともに御誓いして、御祝いの言葉にかえさせていただきたいと思います。
    (記念集会でのあいさつより)

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